5月8日、SHARPはスマートフォンの期間モデル「AQUOS R9」および「AQUOS WISH4」を発表した。
いずれも大人気シリーズで、NTTドコモ・ソフトバンク・SIMフリー版が7月以降に発売される予定。
詳しいスペックや機能は大手メディアに譲り、本稿では上位機種が発表されなかった事や違和感を覚える商習慣について書いていく。
ついにハイエンド市場から撤退か
まず気になったのはSnapdragon 8 Gen 3チップを搭載した上位機種が発表されなかったこと。もちろん、今年後半に突如として発表される可能性はあるだろう。
しかし少なくとも過去3年間、ハイエンドは5月発表・7月発売の流れで展開されてきた。それだけに今回は投入されない可能性が高い。
考えられる理由は物価高、通信キャリアの販売力低下、Pixelシリーズの台頭だ。
3年前、ライカ監修のもと生まれ変わったAQUOS R6はNTTドコモで11万円台で発売されるも、2022年には19万円に達していた。
2023年には20万円を突破し、もはや購入できる層が大きく限定されてしまう。それでも例年であればキャリアの大胆な割引で在庫を捌くことができただろう。
しかし政府の打ち出した割引規制によって販売価格は高止まり。そこへ安価で高性能なグーグルPixelの台頭で追い討ちをかけられた。
もはや最新作のLeitz Phone 3はほとんど話題にすらなっておらず、ハイエンドで戦うことを諦めたといった所得ではないだろうか。
発表される時期が早すぎる
話は変わるが、7月に発売するのにわざわざ5月に発表する必要がどこにあるのだろうか。
ご存知のように、アップルやサムスンといった世界の主要メーカーは発表から発売までの期間がものすごく短い。
発表されたばかりだと購買意欲に繋がりやすく、発表と同時に価格も公開されるので買い物の計画が立てやすい。
一方、5月に発表される割にいつまで経っても価格が決定せず、通信キャリアが販売主体になっているのは些か時代遅れではないだろうか。
何より今発表してユーザーが2ヶ月間、ずっと鮮度を保って楽しみにしてくれると本気で考えているのだろうか。
確かに平成時代には、まず製品が発表されて数ヶ月後に価格が明らかになる習慣があった。しかし、それはアップルを筆頭とする海外メーカーの脅威がなかったころの話。
今や海外メーカーに主戦場を奪われ、虫の息になっている。それに価格にだって消費者は敏感だ。そろそろ全てを抜本的に改める必要があるのではないだろうか。
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