VISAブランドを中心としたクレジットカードのタッチ決済がすっかり普及した。今では買い物だけでなく乗車券として使える交通機関も増えてきた。
熊本県のバス会社はコスト負担の大きい交通系ICカードを撤廃。クレジットカードのタッチ決済に完全移行するなど、近年Felicaに代わる勢力となったのは確実だ。
あのJRも数年以内にQRコードを使った乗車方法を開始予定で、このままでは「おサイフケータイ」が完全に不要になるという見方もあった。
では、日本のFelicaは本当にこのまま自然消滅していくのだろうか。
マイナンバーカード搭載で延命
2022年、政府はデジタル化推進の一環としてマイナンバーカードをスマートフォンに搭載することを発表。
「Felica Secure Element」と呼ばれる場所にデジタル証明書が格納される仕組みで、2020年以降の比較的新しいスマートフォンが必要になる。
つまり、Felicaは「おサイフケータイ」としての需要が無くなっても身分証明書としての役割を担うことになり、国の方針もあって延命されそうなのである。
もちろんSuica、iD、QUICPay、waon、nanacoといった既存電子マネーも使えるため、Felicaに対応するメリットは今まで以上に増えるわけだ。
Felica非対応が許されるのは?
以上の理由から、日本で広く普及を目指すスマホはこれからもFelicaが求められる。
非対応が許されるのはスマホ初心者向けに用意された1〜2万円台のエントリーモデル、メイン利用が想定されにくいカメラやゲームに全振り端末など、極端な例になるだろう。
AndroidのFelica対応は膨大なコストや時間が必要となり、日本市場だけ世界から遅れるケースが目立っていた。
しかし昨今ではメーカーの努力も相まってGalaxy、Xiaomi、Pixelなど世界ほぼ同時発売が目立つ。
それだけに中途半端な価格でFelicaに対応しない端末は完全に不利になりそうだ。
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