スポンサーリンク

法改正で通信キャリアの「Google Pixel9」が買いにくくなった理由【解説】

ニュース

スマートフォンの価格高騰と総務省の割引規制により、通信キャリアの2年レンタル販売がすっかり当たり前になってきた。当ブログでもご紹介してきたように、最新のiPhoneやAndroidを2年間24円で使えることも珍しくない。

ワイモバイルでは法改正後もiPhone14が2年間24円

ところが昨年末の法改正により、このタダ同然のやり方にメスが入った。これまで通信キャリアが自由に設定できた端末返却時の買取価格は、1〜2年後の中古価格(予想買取価格)に基づいて算出されるようになった。

中古価格が落ちにくい人気機種ならユーザー負担が少なくレンタル価格は安く、人気のない機種ほどユーザー負担が高くなりやすい。そしてこの煽りを受けたのが「Google Pixel9」である。

ソフトバンクでは2年間のレンタル案件が44,040円。法改正までは24円だったのに、2年後の下取り価格が安いからユーザー負担金額が大幅に増えた。しかし決して「Pixel9」が人気がないのではなく、Googleが自らこの状況を招いているのだ。

スポンサーリンク

グーグル自らが中古相場を下げている

Pixelの中古相場が下がりやすい理由はSIMフリー版の購入時にもらえるクーポン「ストアクレジット」にある。折に触れて数万円単位が還元されるのだが、とにかくこれが使い道がない。

昨年は最大で57,700円分ものクレジットが付与された

結局、現金化するために2台目のPixelを購入して未使用のまま売却する人が続出。すると発売直後にも関わらずPixel相場は大きく下落する。実際、本体価格72,600円の「Pixel 8a」は発売から1ヶ月経たずして60,990円を記録したのである。

2024年5月31日、秋葉原「じゃんぱら」にて

法改正後の通信キャリアはこうした中古相場をもとにレンタル案件価格を決めるため、買取予想価格が安いPixelはユーザー負担が増える。下がり切った相場のツケはキャリア版購入者が支払うことになっているのだ。

高額下取りでさらに相場が下がる

また相場をさらに押し下げる要因に端末下取りが挙げられる。同じくSIMフリー版を購入する際、グーグルは折に触れて特定機種を中古相場より高く買い取ることがある。例えば昨年「Xperia XZ1 Compact」が38,000円で下取りされることがあった。

その当時「Xperia XZ1 compact」は1万円前後で中古品が転がっていたため、なんとストアクレジットとは別に約28,000円も安く買うことができたのだ。こうなるとPixelは工夫次第で安く買えるという認識が広まって余計に相場が下がっていく。

法改正前であれば中古相場がいくら下がっても2年間24円でレンタル案件を展開すれば売れていた。しかし1・2年後の中古買取価格に基づいて案件が算出されるなら、現状の販売方法はグーグルが自らの首を絞めることになりかねない。

SIMフリー版の優遇をやめてキャリア版を買いやすくするか、それともこのままSIMフリー版優遇を続けるのか、Pixelにとって岐路に立たされる一年になるだろう。

Xをフォローする!@skyblue_1985jp

コメント

タイトルとURLをコピーしました