いよいよ今年も「iPhone16」が発売された。毎年この季節は携帯電話業界が大きく盛り上がる時期であり、買い替え需要も活性化する。
仕事柄、筆者は毎年買い替えており、今年もなんとか「iPhone16 Pro」の当日在庫を確保。丸の内のアップルストアで無事に受け取ってきた。
ところが実機を見た瞬間から違和感があり、開封後も「iPhone15 Pro」から買い換える価値はほぼないという結論に達した。
誤解がないように言うと筆者は大のアップルファンで、昨年は別ブログで「iPhone15 Pro」を絶賛した記事を書いている。
それだけにとても落胆しており、珍しく返品を含めた対応を検討しているところだ。一晩使ってみた感想を書いていきたい。
外観はまったく変化なし
「iPhone15 Pro」から買い換える必要がない理由、まず一つ目にデザインにまったく感動がないこと。
例年のように筐体の色味やレンズの大きさ等、明らかに新しくなった雰囲気を纏っていない。何なら去年と一緒?と思ってしまう程である。
もちろんスペック上では画面サイズが0.2インチ大型化、さらにカメラコントロールキーも追加されて確実にアップデートはなされている。
ところがこの0.2インチにどれだけの意味があるだろうか。15 Proと並べてよく比較しない限りほとんど気づくことはないだろう。
また操作性に関してもiOS18にアップデートした「iPhone15 Pro」と何ら変わりなく、余程の重いゲームをしない限り大差がない。
依然として最悪のカメラ体験
そして最悪なのが新しく追加された「カメラコントロールキー」。これは便利そうに見えるのだが、もはや擁護できないレベルの完成度。
ボタンの位置が上すぎてシャッターボタンとして使うには遠く、レンズの倍率を調整するには失敗する確率が非常に高くなっている。
半押しオートフォーカスからの撮影はアップデートで対応予定とのことだが、余程指の長い人でなければ従来通りに撮影した方が楽だろう。
また相変わらず接写と望遠の自動切替がポンコツで、近くの被写体を綺麗に撮るのには不向き。もちろんマクロ撮影機能はついている。
この現象は「iPhone14 Pro」以降続いており、マクロ撮影をオンにして撮影すると背景がボケず全体がフォーカスされてしまう。
これはクアッドピクセルセンサーの影響とも言われており、センサー変更前の「iPhone13 Pro」では背景をボカしながら撮影できるようになっていた。
このように撮影するには離れたところから2倍ズームで撮影したり、写真を切り抜くなどの工夫が必要で手軽さを失ったように思う。
今作では超広角カメラが4,800万画素にアップしたり、光学5倍ズームには対応したものの抜本的に変わった印象は感じられなかった。
「15 Pro」からの買い替えは不要
それでも「iPhone16 Pro」はAIを売りにしているが、この機能は「iPhone15 Pro」でも同様にアップデートで対応予定。
つまり余程の事情がない限り15 Proから買い換える必要はないのである。円安基調の続いた昨年であれば1〜2万円のプラスで買い替えできた。
ところが今年のiPhone買取相場は例年より低く、4万円程出さないと買い替えできない。私はここにその差額を払う気にはなれそうにない。
ただし、これはあくまでも「iPhone15 Pro」と比較した時の話であり、数年ぶりに買い換える人がアップルのターゲット層になるのではないだろうか。
チタニウム素材、USB-C、2つの物理ボタン追加、カメラ画素数アップなど大幅に変更された要素が多く満足度は圧倒的に上がるはず。
対照的に15 Proを使っている人で、まだ迷っている人はよく考えた方が良さそうだ。
コメント