スポンサーリンク

格安プラン「irumo」にみるNTTドコモの焦り。年度末キャンペーンの裏側【考察】

ニュース

大手通信キャリアの年度末キャンペーンは今年も凄まじかった。急成長を遂げる楽天モバイルに対抗すべく既存3社も隙がない。

なかでも必死だったのがNTTドコモ。同社はネットワーク品質への不満からユーザー流出が続いており、年度末商戦でなんとしてでも止血を図りたいところ。

しかし目立ったのは大胆な端末割引と格安プラン「irumo」への誘導ばかり。本当に利益が出るのかと疑うほどである。今回はこうした同社のキャンペーンの背景を考察したい。

スポンサーリンク

異常:月額550円プランに42,570円割引

「irumo」のキャンペーンで目立ったのは最大44,000円の端末割引だろう。2019年10月以降の端末割引上限22,000円が緩和され、各キャリアともキャンペーンを仕掛けやすい環境が整っていた。

一番人気の「iPhone16e」は一括67,210円で購入できた

ここで注目すべきは割引対象プランだ。なんと月額550円の0.5GBを選んでもOK。ただし同プランは通話待受や予備のSIMとして忍ばせる用で、正直なところドコモの利益には繋がりにくい。

42,570円の割引を与えれば、利益を回収するのに単純計算で6年4ヶ月以上かかる。しかも昔と違って違約金も設定されておらず、途中で解約されたり2枚目のeSIMで他社回線を使われたら大損である。

一般的にスマホの乗り換えは2年に1回、長くても4年に1回のサイクルで行われるのに、そんなに長くドコモに留まってもらえるだろうか。1円も利益を得ないまま、顧客を他社に逃してしまう可能性だってあるだろう。

実際、MVNOや楽天モバイルのように1,000円以下のプランを持つ通信事業者はこうした事情から大胆な割引を仕掛けてこない。KDDIやソフトバンクの「povo2.0」や「LINEMO」に至っては端末自体を扱っていないのだ。

それでもドコモが550円プランを呼び水にしているのは、目先の顧客獲得で株主を納得させる材料を作りに来たとしか考えられない。それほどに焦っていると考えられる。

「irumo」は本当に儲かるのか

しかも「irumo」は店舗契約でも端末が割引されるケースがある。この場合は事務手数料3,850円が発生するものの、家電量販店の独自キャンペーンで契約できれば激安。

中には実用的な3GB・6GBプランを選ぶ顧客もいるだろう。しかしドコモ光やdカード割を使われると月額880〜1540円しか回収できない。こうした料金体系で4万円規模の割引を実施すれば、やはり利益を出すのに2年〜4年を要するのだ。

もちろん月額2,970円の「ahamo」に流れてくれれば御の字かもしれない。しかし、最近のドコモは「irumo」のCMに注力しすぎており、自ら顧客の興味関心を引き立てている。

インターネットにこのCMが流れすぎている

通信キャリアの格安プランは、本来メインブランドの料金に不満を持つユーザーが自分で手続きするものだった。選択肢を用意してはいるが、できるだけ通信費の高いプランに留まって欲しいのが通信各社の本音だろう。

しかし「irumo」は大規模に宣伝され、多額の端末割引が提供され、挙げ句の果てにショップでも契約を受け付けている。

銀行を持たない同社は経済圏による顧客囲い込みも遅れており、メインブランドへの動線がめっぽう弱い。このままでは他社への顧客流出に拍車をかけるかもしれない。

Xをフォローする!@skyblue_1985jp

コメント

タイトルとURLをコピーしました