10月27日、サムスンはフォルダブル端末「Galaxy Z Fold Special Edition」を発表した。
「Galaxy Z Fold6」とほぼ同等のスペックでさらなる薄型・軽量化を実現。過去最大のサブディスプレイを搭載するなど一層磨きがかかっている。
ところが30万円という強気の本体価格で販路は中国・韓国限定。入手困難間違いなしの中、まめこMobile様に取り寄せて頂いた。
今回は筆者目線でレビューしながら「Galaxy Z Fold Special Edition」が登場した背景を考察していきたい。
画面サイズをもう一度見直しへ
まずはスペックから見ていこう。「Galaxy Z Fold Special Edition」はSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxy、ROM 512GB、RAM 16GB搭載のハイエンドで、8インチ有機ELディスプレイを採用する。
2億+1,000万+1,200万画素3眼カメラ、1000万・400万画素インカメラ、Wi-Fi7、NFC、ワイヤレス充電、防水・防塵、顔認証・指紋認証センサー、4400mAhバッテリー、Android14等に対応。
スペック面で「Galaxy Z Fold6」と異なるのはRAM12GB→16GB、メインカメラ5,000万画素→2億画素、重量239→236gといった部分で、他に特別な機能があるわけではない。
むしろ今回の目玉は6.5インチに大型化した「サブディスプレイ」だろう。
21:9のアスペクト比が採用され、閉じた状態ではいよいよ普通のスマホサイズになった。
これまでの縦長感が完全に払拭され、アプリ表示が窮屈になったり、文字が小さくて読みにくい現象が克服されたのである。
開いた状態ではアプリを並べても文字が小さくならず、自然なサイズで分割できるのが本当に使いやすくなった印象だ。
これはスペック以上の大きな変化。正直な話、「Galaxy Z Fold6」とほぼ同じスペックなのにまったく違うものを使っている感覚だ。
成熟したソフトウェアが強み
操作感に関しては超ヌルヌル・サクサク。Antutuベンチマークは185万スコアを記録。ここまでのスペックでできないことはないだろう。
注目されている折り目に関しては、正面から直視している分には確かにほぼ目立たない。しかし強い光に晒されたり角度をつけるとそれなり。
これは持論だが、フォルダブルは使っているうちに折り目がついてくる。展示品が目立たないのは「展示したばかり」か「ずっと開いた状態だから」という可能性がある。
その他、4方向のスピーカー音質も高品質。ディスプレイが大きくなったおかげで、半分畳んだ状態での動画視聴も迫力がある。
まだカメラ性能を試すことができていないものの、やはりサブディスプレイのサイズ変更による恩恵が何物にも変え難い。
軽量フォルダブルは中国メーカーの台頭も著しいが、HarmonyOS・HyperOSといった独自OSはまだまだ発展の余地を残している。
それに対してGalaxy「One UI」はこと細かい設定項目やAI機能まで備えており、軽量フォルダブルとしては成熟したソフトウェアが大きな強みである。
デメリットの検証
ではここからはデメリットを見ていこう。今回特筆すべきはSペンに対応しておらず、メイン画面のカメラがパンチホールという点が挙げられる。
この2点は既存モデルと比較すれば言うまでもなくデメリットだ。しかし、サムスンとしてはそれらを犠牲にしてでも(薄型化・軽量化)を試したかったのだろう。
さらにサブディスプレイも実は縦長の方が持ち上げやすく、中には「Galaxy Z Fold6」の方が好きという人だっているだろう。
この辺りはファンの反応を伺いながら「Galaxy Z Fold7」でうまく改善してくることが望まれる。
それより、個人的にはアクセサリーが皆無であることがデメリットだ。Amazonを含め、とにかくケースが販売されていない。
幸いにもケースは純正品が付属しており、まめこモバイル様が用意してくださったフィルムで事なきを得たが、サムスン公式でもう少し選択肢があるとありがたい。
ケースはレザー調で本体にマッチした色合いで落ち着いた感じである。
2025年のフォルダブルに大きな期待
では今後Foldシリーズはどのように進化するだろう。ここからは筆者の完全な推測になるが、まず2025年はGalaxyも3つ折りが登場するのではないかと思われる。
サムスンとファーウェイはフォルルダブルの古参であり、両社とも2019年の初代モデルから数えて来年で6年目に突入する。
しかし今年ファーウェイに三つ折りの「Huawei Mate XT」をリリース。これ以上の遅れはライバルとして許容できないだろう。
その上で「Galaxy Z Fold7」はSpecial Editionの要素を何かしら取り込んで送り出されるのではないだろうか。
グローバル販売であれば大量生産により本体価格は下げられる。また来年の夏までにSペン対応も実現されるかもしれない。
いずれにしても中国メーカーの台頭とグーグルの参入により、そろそろ抜本的な転換期に差し掛かっていることは間違いないだろう。
リンク:まめこMobile
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