中古スマホ市場に異変が起きている。例年、新型iPhoneが発売されると買い替え需要の急増で盛り上がるはずの中古市場がとても静かなのだ。
毎年どこよりも高額で買取を続けてきた「イオシス」は増額キャンペーンを実施しておらず、家電量販店の買取価格を下回っている状態。
また大手「じゃんぱら」も10,000円の増額や火曜日の5%UPを使っても競合とあまり変わらない状況。一体何が起きたというのだろうか。
今回は盛り上がりに欠ける中古スマホ市場を解説したい。
異例の「iPhone16」価格据え置き
買取キャンペーンが盛り上がらない背景には、iPhone16の価格据え置きがあると筆者は見ている。
2022年以降、円安の影響でアップルは度重なる値上げを実施しており、その度に型落ちの中古品が狙い目として注目されてきた。
しかし今年は異例の価格据え置き。こうなると、ちょっと安い(5,000〜10,000円)くらいでは型落ちの中古が注目されず、アップルストアで新型を狙う人が増えやすい。
「今年もiPhoneは1万円値上がりました。」という事情で重宝された過去数年とは状況が違ってきたわけである。
寝耳に水だった中古ショップ
すると「イオシス」や「じゃんぱら」は買い替え需要を見越して仕入れたiPhone15の中古品が売りにくくなる。
例年、両社は新型iPhoneの発売後に既存モデルの値下げを始めるのだが、今年は発売前に既存モデルを値下げするという異例の措置を取っていた。
つまり大きく値下げしない限り、中古品のiPhone15シリーズは注目されにくいと判断したのだろう。
ならば買取価格を渋るのは自然であり、買取キャンペーンを始める前から「お腹いっぱい」なのかもしれない。
もっと言うと、買取増額キャンペーン分の予算を在庫の値下げに充ててしまったのかもしれない。
買いたい人にはチャンス
というわけで売りたい人には不利の市場だが、何も意地悪で下げているわけではない。裏を返せば買いたい人には大きなチャンスなのだ。
以下の画像をご覧いただきたい。1枚目はヤマダ電機の買取価格。iPhone15 Pro 256GBは上限13万5,600円で、今年は業界トップクラスに高い。
そして2枚目の画像は「じゃんぱら」の販売価格。同じくiPhone15 Pro 256GBは中古Aランクで13万7,980円で販売されている。
つまり「じゃんぱら」で買った商品をヤマダに持って行くとほぼ同額で買い取ってくれるほど、「じゃんぱら」の販売価格は安い。
イオシスも同様であり、今年はiPhone16の価格据え置きという異例の展開から中古品の過剰在庫を憂慮していることが考えられる。
現時点では売るなら家電量販店、買うなら「じゃんぱら」「イオシス」という構図が出来上がっており、今後の動向にも注目していきたい。
コメント