あまり騒がれていないが、NTTドコモの販売体制が酷すぎる。9月12日、新機種「iPhone17」の販売価格がなかなか発表されず、予約開始時刻21:00に間に合わなかったのだ。
同社はここ数年、どの機種もギリギリまで価格を発表しない傾向があり、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの動向を十分に見極めている。

しかし今回の出来事はいよいよ一線を超えた感があり、とても物を買ってもらう大企業の在り方とは言えないだろう。
結局、価格が出揃ったのは午後9:30。特に攻めのキャンペーンを打ち出すわけでもなく、なんのサプライズもないまま「遅すぎる」という印象に終始した。
痺れを切らした利用者が在庫のあるAmazonやヨドバシに流れるのは自明のこと。販売手数料で稼ぎたいはずのドコモは機会損失を生むことになるのだ。
「eSIM」障害発生と「iPhone 17」販売停止
さらに9月19日、「iPhone 17」の発売日には「eSIM」設備で障害が発生。ドコモだけでなく同社のネットワークを利用するMVNOにまで多大な影響を及ぼした。
あろうことか「iPhone 17」は同日中に販売停止となり、発売日にも関わらずドコモユーザーだけがモヤモヤしながら土日を迎えることになった。

今シリーズから「eSIM」しか利用できなくなること、今まで以上に強固なサーバー体制が要求されることは予めわかっていたはず。
今回の出来事でいよいよドコモに愛想を尽かすユーザーも出てくるだろう。そしてこの一連の不祥事は残念ながら偶然ではないのだ。
顧客目線不在。スピード感と危機感がない
こうした事態が起きた背景には、昨今のドコモにスピード感や危機感の概念が欠如しているからだ。
例えば同社は使い勝手が悪すぎる「dアカウント」問題を抱えており、顧客獲得や「d払い」等の自社サービス提供に多大な影響をもたらしている。
今年6月、前田社長はようやく改善すると宣言したものの、予定の時期は2026年度末までとのこと。一刻を争う問題にも関わらず、2027年3月までという悠長すぎる姿勢なのだ。
一向に改善されない通信品質もしかりである。基地局増設の報告を度々アピールしているが、その割にSNS上の声は芳しくない。
他にも評判の悪かったAndroidスマホの自社ロゴ刻印や「iモード」絵文字の撤廃は、他社に遅れること3年、今年になってようやく撤廃された。ここまで顧客の声が届かないものだろうか。
これまで散々「殿様商売」と言われてきた同社だが、今回の「iPhone17」を機に企業体質を刷新しなければ本当に転落してしまう気がしてならない。
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