楽天グループが誇る「楽天経済圏」の地位が少しずつ揺らぎ始めている。
そもそも楽天経済圏とは、以下のような複数サービスを組み合わせることで、楽天市場での還元率が大幅にアップする仕組みのことだ。
- 楽天モバイル(通信回線)
- 楽天カード(クレジットカード)
- 楽天銀行 / 楽天証券
これらをフル活用すれば、他社ECサイトよりも爆発的にポイントを貯めることができる。例えば以下の画像を見てほしい。

還元率1倍のゲーム機も条件が揃えば10倍を獲得可能。家電がこれほどお得なECサイトは無く、もはや家電量販店に行く必要すら無いだろう。
さらにリアル店舗ではQRコードの楽天ペイが活躍。楽天市場で貯めたポイントも利用可能で、月2回提示すれば還元率は最大2.5%。

楽天経済圏は人々の節約意識と相性が良く、コロナ禍のキャッシュレス普及を背景に急拡大した経緯がある。
ところがタイトルにもある通り、三井住友カードとヤフー陣営のPayPayが提携したことで状況が一気に変わってきた。
「Olive」で勢いづく三井住友カード
両社が手を組むとどうして楽天に対抗できるのか。ここではそれぞれの特徴を見ていこう。まず三井住友カードは2023年3月1日に開始した「Olive」がとにかく強い。
「Olive」とは銀行口座・クレカ・デビット・ポイント払いをアプリで管理・切り替えできるサービスで、1枚のカードを臨機応変に使い分け可能。

さらに注目すべきがクレジットカードに用意された還元率7%の加盟店だ。家族会員1人追加で+1%UP、Oliveカードの選べる特典で+1%UP等、フル活用すると1回の買い物で得られる還元率が最大20%までUPする。

年会費有料カードは加盟店以外でも還元率1%。加盟店を使う人は楽天カードよりポイントが貯まりやすく、VISAタッチ対応店舗なら全国どこでもVポイントを使うことができる。
しかも「Olive」会員は全国の「Olive LOUNGE」が無料。ここは銀行としての基本機能(ATM・スタッフ常駐)を備えながら、勉強・仕事・休憩できる無料スペースを完備。

スマホを充電しながら待ち合わせにも使えて利用価値が高く、併設されたスターバックスを使ってもOK。筆者も月に数回利用するようになった。
クレジットカード、デビットカード、ポイント払いを一元管理する画期的なシステム、最大20%UPの加盟店、さらに「Olive」ラウンジ無料特典は楽天グループに対抗できる訴求力を得たのである。
ヤフーショッピングの急成長
さて、今度はヤフー陣営に目を向けてみよう。注目すべきは急成長する「ヤフーショッピング」の存在だ。
楽天市場との違いは複数サービスを利用せずに高還元率を実現できること。LINEとPayPayアカウントを連携すると基本還元率5%、定期開催のイベントを駆使すれば最大10%以上を簡単に達成できてしまう。

冒頭に挙げたゲーム機は複数サービスや買いまわりで10倍を達成していたが、ヤフーショッピングでは『5のつく日』などの特定日を狙うだけで19%になることもしばしば。

さらにLYPプレミアム会員(ソフトバンク・ワイモバイル利用者は無料)は還元率が毎日2%UP。
買いまわりなしで楽天市場の還元率を上回ること、ポイント獲得上限がときに楽天市場より大きい等の理由から、一定数のユーザーがヤフーショッピングに大移動しているのだ。
サムスン、シャオミーといった家電メーカーの参入も相次いでおり、本当に楽天市場に並ぶ存在となってきた。
「リアル」も「ネット」も爆発的に貯まる
以上のように、三井住友カードはリアル店舗で、ヤフーはECサイトで、それぞれ爆発的にポイントが貯まる仕組みを整えた。
この2社が提携すると「リアル」も「ネット」も爆発的に貯まり、楽天経済圏より早いペースでポイントを貯めることができる。

具体的には最大20%UP加盟店を利用する三井住友カード利用者が、インターネットでの買い物を楽天市場からヤフーショッピングに変更する可能性がある。貯めたPayPayポイントをVポイントに移行できるから、使い勝手が格段に向上するはずだ。

PayPayカードをメインに使っている人も年会費無料の三井住友カードを発行し、加盟店では7%のVポイントを貯め、PayPayポイントに移行するといった楽しみ方もできるだろう。
楽天経済圏もインターネットでは爆発的に貯めることはできるが、複数サービスや買いまわりといった条件が重荷。さらにリアル店舗では最大2.5%が限界だ。
楽天も引き続き強いことには変わりないが、還元率UP条件を緩和したり、リアル店舗の7%UP加盟店を用意するなど、対抗策を出すべき時が来たかもしれない。
三井住友カードとPayPayは2026年3月24日から開始となる。
リンク:ペイペイ(プレスリリース)



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