楽天モバイルの契約者数が800万回線を突破し、いよいよ既存3キャリアが度外視できない存在になってきた。今年は各社の回線を6ヶ月間無料で使える「お試し割」が始まろうとしており、楽天の勢いが再び加速するかもしれない。
では大手3キャリアの勢力図はどう変わるのだろうか。あくまで個人的な推測にはなるが、NTTドコモの顧客が他社に流れ続ける「一人負け」になる可能性がある。
当ブログではかねてからドコモの弱体化を指摘してきたが、今年はいよいよ決定的になるのではないかと考えている。
未だ揃わぬ中国メーカー
何故ドコモが一人負けするのか。まず大前提として一向に改善されない都市部の電波問題がある。その上で致命的なのが端末のラインアップだ。
円安と物価高が止まらない中、KDDIやソフトバンクは中国メーカーの低価格路線を強化。しかも単純に安いわけではない。KDDIの「Xiaomi 14T」はLeica共同開発カメラを搭載し、防水やFelicaといった基本性能にも抜け目がない。
それでいてMNP一括35,300円と物価高知らず。ソフトバンクはワイモバイルを通じて折り畳みスマホ「Libero Flip」を一括1円で販売したり、日本仕様に全振りしたOPPO Renoが好調。
5年前には見向きもされなかったメーカーが大躍進を遂げるも、ドコモはこの波に乗ることができていないのだ。同社は過去に「ZTE M」「Huawei P30 Pro」を扱うも米中貿易摩擦の煽りを受けて両機種とも一時販売に追い込まれた経緯があり、この苦い経験から完全に及び腰になっているようだ。
放置された「dアカウント」問題
それでも、中には久しぶりにドコモを試したい人もいるだろう。そこに水をさすのが「dアカウント」。ドコモ回線の契約は「dアカウント」が必要で、まずは電話番号とメールアドレスの入力を求められる。
しかしここで問題発生。以前に使っていた電話番号やメールアドレスは弾かれてしまい、どう足掻いても「dアカウント」を作成できない。ショップなど店頭ならまだしも、オンラインで全て完結する時代にこれは致命的。
メールアドレスはエイリアスも弾かれるから新しく無料アドレスを作るほかないのだ。そこまでの労力を使うほどドコモに戻りたくなる魅力があるだろうか。
別記事にも書いた通り「dアカウント」は様々な問題を引き起こしており、もはやドコモのシステムを崩壊させていると言っても過言ではない。
業界をリードできない:全てが周回遅れ
ドコモと言えば2000年代にiモードが爆発的にヒットした。アプリのダウンロードやパケット定額制、4G技術など様々な分野で業界をリードしていた。
新しいことは全てドコモから始まるといっても過言ではなかった。しかし過去10年を振り返るとむしろ全てが周回遅れになっており、何一つリードできていない。
例えばKDDIとソフトバンクのサブブランド「UQモバイル」「ワイモバイル」は2024年にスタートしたがドコモが本格的に対抗したのは2023年の「irumo」プラン。
また通信各社は経済圏競争を見据えて自前のECサイト、銀行、証券会社を準備してきたが、ドコモは片っ端から企業を買収するに終始している。こんな付け焼き刃で本当に勝ちを見据えた戦略があるのか疑わしい。
もはや全てに「流行っているからやっている」節があり、追いついたところで何の優位性もない。2025年はこのツケがいよいよ回ってくるのではないだろうか。
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