2024年12月、政府によるスマートフォンの割引規制が強化された。今回メスが入ったのは通信キャリアの端末下取り価格。以前のような独自の高額買取が許されず、中古相場に基づいた価格での取引が求められる。
国の狙いは最新スマホがタダ同然で使えるキャンペーンの廃止すること。下取り価格にメスを入れれば2年間24円の案件ができないと踏んだのだろう。しかし結果は総務省の敗北に終わったと言わざるを得ない。
年度末キャンペーンでは各キャリアの24円案件が復活を遂げており、発売直後の「iPhone 16e」ですらワイモバイルとソフトバンクで24円。
下取り価格が規制されたのに24円を継続できるのは何故なのか。昨今の各キャリアの動向から解説したい。
3つの要素が揃うと24円にできる
結論から書くと、スマホの24円案件は3つの要素が揃った場合に実施できる。ひとつは需要が衰えにくい圧倒的な人気スマホであること。具体的には「iPhone」のことで、2年経過したくらいでは価格が落ちにくい。
実際、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクは「iPhone 16e 128GB」の予想買取価格(24ヶ月後)を65,000円〜67,000円と算出しており、相変わらず高額買取が継続できている。

2つ目の要素は端末割引をフル活用すること。現行法では80,000円以上の端末に対して44,000円まで割引可能。10万円の端末は56,000円まで下げられるようになったのだ。
そして3つ目の要素が販売価格を下げること。SIMフリー版よりも割高なキャリアスマホが安くなってきたのは割引規制に争うためで、この傾向は今後も続くと思われる。
それを踏まえた上で、もう一度「iPhone 16e」を見てみよう。以下はワイモバイル128GBの料金表で、割引価格は43,992円。一括販売価格は66,024円である。

そして同社の2年後の予想買取価格は67,109円。2年間ガッツリ使っても手出しなく返却できるわけだ。1円以下に設定することは禁止されているから、24円はあくまでも体裁を整えているに過ぎない。
このように圧倒的な人気スマホ、端末割引のフル活用、端末価格引き下げの3要素がそろうと、法改正後も月額1円を継続できると言える。
これからの値下げは公式サイトから
3〜4年ほど前、筆者は毎週のようにヨドバシカメラを訪れて特価状況をXに投稿していた。スマホ割引は販売現場で起こりやすく、通信キャリアはそれを黙認しているに過ぎなかった。
【速報】iPhone SE 第3世代、発売日から一括1円だよぉ(*´∀`*)
— Skyblue (@skyblue_1985jp) March 18, 2022
みんなおいでよ😊 pic.twitter.com/ITTIrzKfYq
しかし現行法では現場レベルの割引がいよいよ難しくなり、これからは特価調べの量販店巡りがほとんど意味をなさなくなる。
今後、通信キャリアは折に触れて公式サイトで大元の販売価格を下げ、端末割引価格を44,000円に近づける形で値下げを実施してくるだろう。
さらに24円を実施するためにリセールの悪い不人気機種が淘汰され、できるだけ人気の高い機種がキャリアスマホとしてラインアップされやすくなりそうだ。

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