昨日、Xに驚きのポストが流れてきたのでシェアしたい。モバイルドットコムの「ちえほん」さんによると「AQUOS R9」のカメラシャッター音がオフにできるというのだ。
この一件だけを見ると「それがどうした?」という話に聞こえるだろう。確かに4年前であれば特筆すべきことでは無かったかもしれない。
しかし昨今の携帯電話事情を鑑みると、他のメーカーにも波及しかねない重大事項と言えるのだ。今回はその理由を解説したい。
カメラのシャッター音問題とは
そもそも日本の携帯電話市場では盗撮防止の観点からカメラのシャッター音をOFFにできない仕様がメーカーの自主規制によって続いてきた。
カメラ設定を変更できないガラケー時代には一定の抑止力はあったのかもしれない。また画質が粗かった当時はカメラよりオモチャのような感覚で、音が鳴っても異を唱える人は多くなかった。
しかしスマホに置き換わったことで状況は一変。3万円台のスマホでも本格的なカメラとして利用可能になり、もはやデジカメを持ち歩く必要のない時代になった。
にも関わらず機種によってはシャッターの爆音が鳴り響き、静かな場所では周囲が気になって使いにくい。それも日本と韓国だけが続ける謎仕様であり「そんなのおかしくない?」と言う感情が近年、SNSを通じて共有されるようになったのだ。
また犯罪者は無音アプリを導入してシャッター音を回避できることから、デフォルトで強制するのはユーザーの満足度を下げるだけなのだ。
SHARPは実質3社目
こうした切実な声がメーカーに届いたのは2021年のこと。ソニーが「Xperia 1 II」のSIMフリー版で初めてシャッター音OFF機能を導入した。
さらにXiaomiがシャッター音をOFFにできる設定を黙認したことで事実上2社目となり、各メーカーに対しても望む声が一気に増えた。
そこに続いたのが「AQUOS R9」である。前例が大好きな日本において実質3社目ともなれば、4社目、5社目が続く可能性が出てくるのだ。
しかも今やスマホは成熟期に突入しており、メーカーは差別化要素を見出すことに苦労している。
ここ数年でほぼ全てのメーカーがFelicaやeSIMを採用し、3万円台のスマホでもFull HD+や90Hzリフレッシュレートまで対応。まだできることがあるとすれば、カメラのシャッター音OFFの選択肢を与えることだろう。
声を挙げ続けよう
日本の携帯電話は世界的に見て狂っていることが多い。黎明期の2010年から振り返って、ぱっと思い出しただけでも以下のような問題があった。
・テザリング制限(au・KDDIはiPhoneやAndroidのテザリング機能を2012年まで封じていた)
・MVNO制限(MVNOのSIMカードを動作させない制限)
・周波数制限(他社のSIMカードを挿しても電波を受信しないようにする制限)
・シングルSIM制限(本来eSIMに対応している機種でもシングル仕様に制限する)
・IMEI制限(特定の端末でしか動作しないSIMカードを採用する)
・SIMロック(他社SIMを受け付けない)
これらはSNSを中心にユーザーが声を挙げたことで問題視され、いずれもほぼ解決に至っている。残っている問題があるとすれば、やはりカメラのシャッター音だろう。
無音アプリはメーカーがチューニングした最高のカメラ体験を損なうため、早くこうしたものから解放される日が来ることを願ってやまない。
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